旅順2

　前日に両親がやってきた。
　
　どこに行きたい？と聞いたら「まずは家と会社、そして大連市内の公園とか広場とか？」と言われ困ったが、旅順にも行きたいということなので、この日は日本語ガイド付きのツアーに申し込んで行くことにした。

　ツアーと行ってもガイド＋運転手＋私たち3人のみの貸し切り。前回行けなかった「東鶏冠山北堡塁(とうけいかんざんきたほるい)」「203高地」「水師営会見所」の3カ所に行く。いずれも日露戦争にまつわる場所なので、観光半分、歴史の勉強半分といった感じになる。今は観光シーズンでもないし、市内から少し離れているので、何処に行っても人が少なく割とひっそりとした様子だった。

　要塞跡である東鶏冠山北堡塁は、203高地に並ぶ激戦地であることを聞くととても写真を撮る気になれなかった。資料館には小さい頃日本語を教えられたという80歳のおじいさんがいて、日本語で写真の内容を説明してもらった。

　その後行った203高地、水師営会見所は教科書で見た写真のイメージよりもこぢんまりしていた。203高地に行く途中の道はやぎがいたりするほど静かな田舎で、山自体も自然がいっぱいののどかなところで、とても日露戦争の要となった土地とは思えなかった。が、203mの頂上まで登って、ガイドの話を聞いて納得。黄砂の影響で残念ながら旅順港がはっきりとは見えないが、晴れれば8km先の旅順港が見渡せる。そして当時の砲弾がちょうど届く距離なんだ。