原点

 1999年3月、初めて海外旅行に行った。行き先は中国の上海と蘇州。当時、出張で上海に何回か行っていた父がプライベートで行ってみたいと言ったので、一緒に行くことにした。

 上海の都会さ、蘇州の中国らしさよりも、初めて言葉が通じないというもどかしくてしんどい感覚が一番印象に残った。また当時から、同僚の中国人のおばさまと家族ぐるみでお付き合いをしていたので旅行に行ったときに、そのおばさまにもお会いし、初めて日本語が話せるとはいえ、異国の方とこんなに密に接した。

 たぶん、その時に味わった感覚とおばさまとの出会いを通じて、中国に対する興味がふっと湧いたんだと思う。上海は中国に対する私の原点、だと思う。