Sostenuto

 前から思っていたのだが、どうしてクラシックって、同じ曲で同じ譜面なのに演奏者や指揮者によって、曲の早さや曲想が随分違うのだろう。解釈の違い、というやつ?

 例えば、ショパンの『雨だれの前奏曲』。あるCDは本当にゆっくりで、途中止まってしまいそうな感じさえする。でも別のCDでは、前者よりもテンポも軽快で全体的に軽い感じがする。

 楽譜には、「Sostenuto(ソステヌート)=音を充分保持して, ゆっくりと。」と書かれてある。いや、その「ゆっくりと」が良く分からないんだって、と素人はつっこみたくなる。「Sostenuto」には、「andante sostenuto」というのもあるらしく、これは「= 少しゆったりとしたアンダンテ。」を意味するらしい。これなら、アンダンテは、歩く速さだから、「andante sostenuto」は“ゆっくり目に歩く速さ”と、まぁ大体のテンポは想像できる。

 でも「Sostenuto」はやっぱり分からない。「andante」が付かない分、「andante sostenuto」よりもやっぱりゆっくりなのかなぁ。

 こんなアバウトな定義から、プロは自分なりに想像を膨らませて解釈していくんだからやっぱりすごい。先月ぐらいの情熱大陸でピアニスト:上原彩子さんが取り上げられてたけど、すごかった。「○○が〜する感じ」とか、曲の感じを文字にしていっぱいメモってたし。そういえばオレンジデイズでも、「小鳥が初めて飛ぶときのように、優しく、でも大胆に。」とか何とか教えてたなぁ。