生活の知恵

 朝、手洗い表示の衣服をまとめて、専用の洗剤で洗濯していた。並行して、鼻歌交じりで掃除をしていると、突然、「ご、ごごごごご…グァタン、グァタン」と洗濯機から、発動機の音かと思えるほどの何ともすごい音が聞こえてきた。???と思って、一目散に駆けつけてみると、びっくり!洗濯機が勢い余って前進している…。とりあえず、この子の音と行く手を防がなければ、と、前から抱えるように押さえにかかったが、機嫌が直る気配はない。仕方がないので、電源をプチッと切って、無理矢理黙らせ、すすぎの行程から仕切り直すことにした。

 しかし、またすぐに「ご、ごごごご…」とものすごい不機嫌な音を立ててくる。もう一度「お願い!いい子だから!」となだめにかかったが、逆効果で「ピ、ピ、ピ、ピ…」とすべての表示にランプをつけ、発作が起こったように叫び出した。オロオロして、もうどうすることもできず、「ごめんなさい。」と再び、電源をブチッと切る。

 こんなことを2回ほど繰り返した後に、ふと、実家が二層式の洗濯機だった頃に、同様の症状が脱水機で見られていたことを思い出した。そのときに母が取っていた対処法は、洗濯物をできるだけ同じ高さに平均して入れる、というものだった。すすぎと脱水、行程は違うものの、もしかして、効果があるかも?と半信半疑で、1つのネットに入れていた洗濯物を、2つのネットに分け、平均的に入れると、すんなりとすすぎをし出した。ほっ。思わぬところで、思わぬ経験が役立つものだ。おばあちゃんの知恵袋ならぬ、おかあさんの知恵袋。母が毎日、匙を投げず、洗濯機と格闘していたお陰である。

 ☆下の方、お隣の方に、「今日の騒音は、私が暴れていたわけではないんです!洗濯機が暴れていたんです!」と、一言釘を刺しておきたい。。