私信

 解析差分だしに使うデータの中に「私信.txt」というものがある。私信、つまり私用の手紙のことらしく、「新築祝いの招待」「お歳暮の御礼」「失態のお詫び」といった見出しで、手紙の例文みたいなものがずらずらと並んでいる。以下の文面から解析差分がでてきたので、思わず全文を読んでしまった。



見出し,婚約破棄のお詫び,2196,
謹んで申し上げます。
 ひと雨ごとに暖かさを増す頃となりましたが、その後お元気でお過ごしのことと存じます。
 ところで過日、貴方から結婚のお申込みをいただき、私もお受けする気になって、生涯の夢を描いておりました。しかし、実は最近になって、いろいろ考えるところがあり、このお話は一応白紙に戻していただきたいと考えるようになりました。
 と申しますのは、結婚生活というものを具体的に考えますにつけ、私自身の未熟さに今さらながら思い至り、すっかり自信を失ってしまったのです。このままでは、とても幸福な家庭を築くなど思いも寄らず、あなたにご迷惑をかけることがはっきり予測できるばかりです。
 私の一方的なわがままであることはよくよく承知いたしております。貴方にはほんとうに申しわけなく、通り一遍のお詫びですむこととは思いませんが、私の気持ちをご理解いただきたく、伏してお願いする次第でございます。
 詳しくはお会いした上でお話したいと思いますが、取り急ぎ書面にてお詫び申し上げます。かしこ


何の前触れもなく、こんな手紙だけが先にきたら、さぞびっくりするだろうなぁ。。果たしてこれは適切な例文なのでしょうか?ま、昭和の時代の例文のようなので、時代錯誤ということにしておきましょうか。