現実の話

 ビデオに撮っていた、テレビ朝日開局45周年を記念したドラマ「流転の王妃・最後の皇弟」を観る。

 中国清朝最後の皇帝・愛新覚羅溥儀の弟・溥傑(ふけつ)と、日本の華族の娘・嵯峨浩(さがひろ)の二人の壮大な物語である。

 政略結婚で結ばれた二人だが、「日中友好の架け橋となる」という熱い思いの元、激動の時代をどう捉え、どう生き抜いてきたかが刻々と描かれていた。確かに重い話だが、とても興味深い内容だった。でも、感じたところを言葉にするのもまたとても難しい。。


 一番印象に残ったのは、最後の場面で、お互い囚われの身となって、それぞれ色々な場所を流転した後、十六年ぶりに広州駅で再会を果たす場面だった。別れ別れになる場面は何度かあったが、いつも「離れるつらさよりも、次に会える楽しみを。。」の思いで、信じ合っていて、十六年の時を隔てても、なお、お互いを信じている強さがとても伝わってき、感動的だった。

 私には、彼らの怒濤のような人生は、ある意味現実を超越してしまっているように写ったが、実は、他にも同じように怒濤のような人生を生きた、または生きている人はたくさんいるんだろうなぁ。

 そして、国境を越えた話、現実に基づいた話は、どういう立場から描くかが難しいと思う。